前の記事でもお伝えし、RCNの「つるいち!」でも放送されましたが、本校は、感染症拡大防止と、新しい生活様式の中から教育効果の高い、新しい教育活動の在り方を見いだすために、全校集会、児童集会を「遠隔」で実施しています。
今までに、「全校集会」「人権集会」「全校集会(臨時生徒指導)」などを実施しきました。「Zoom」という、テレワークでよく利用されるツールを使って行っています。令和3年のタブレット導入も見越し、教育効果の高い取組として今後も行っていく予定です。
12月25日の全校集会で校長から児童に伝えたお話を掲載しておきます。
令和2年度 冬休み前全校集会の訓示
敦賀市立敦賀西小学校長
令和2年 最後の全校集会です。
今年はみなさんにとってどんな年だったでしょうか。
今年は、新型コロナウイルス感染症が全国、全世界に広がり、今まで当たり前だった生活が大きく変化しましたね。
これを覚えていますか?(「いつでもルール」を提示)
そうです。新しい生活様式として、「うつらない」「うつさない」ためにいつでも守るルールのことでしたね。
「マスク」「手洗い」「間をあける」「かんき」「ひとのものはさわらない」これらを学校の中だけでなく、家でも、外でも「いつでも」守ってください。
新型コロナウイルス感染症がまた拡がり始めています。もう一度、「いつでもルール」を徹底してよいお正月を迎えられるようにしてください。
さて、毎年その年の世相、世の中の様子のことですが、それを表す漢字を日本漢字能力検定協会が決めて、京都の清水寺でお披露目があります。今年の漢字は何だったか知っていますか?
知っている人もいると思いますが、敦賀西小学校の書道の先生、「黒川虚白(きょはく)」に書いていただきましょう。(黒川淳先生が「密」を書きます。)
そうです。「密」ですね。
この漢字が選ばれた理由は、もうわかりますね。新型コロナウイルス感染症対策のための新しい生活様式として、「密閉」「密集」「密接」を避けることが叫ばれたことです。
しかし、同時に人との距離は離れても、こんな時だからこそ、心の距離は近く「密」になって欲しい、人とのつながりを大切にして欲しいという願いも込められています。
さて、校長先生も今年の漢字を考えてみました。先生お願いします。
(黒川先生が「口」を書く)
何という漢字かわかりますね。「口」です。
校長先生がこの漢字を選んだ理由を説明します。
世の中を大きく変えてしまった新型コロナウイルスは「口」から出る「くしゃみ」「せき」「おしゃべり」などの飛沫が飛んで人にうつることが多い病気です。だから先ほど言った「いつでもルール」マスクはいつでも着けていましょう。友だちと遊ぶときも必ず着けましょうね。
そして、その新型コロナウイルスは、世の中の人の心まで病気にしてしまいました。だれか感染してニュースに出る度に、「だれだれらしいよ」「困ったやつだな」など、感染した方を傷つけるうわさやデマが広がりました。これらを誹謗中傷と言います。誹謗中傷はSNSなどの書き込みとなって、病気で苦しんでいる人をさらに苦しめました。感染した方が一番苦しんでいるのにです。病気の人をさらに苦しめたのが「口」からでる誹謗中傷なのです。心にもマスクをして、口から悪口が出ないようにしましょう。
そして、コロナとは関係ないところでも、「口」から出た悪口はいじめとなり、大切な命を自分で絶ってしまった人が今年もいました。悲しいことです。人の命を奪うような悪口、誹謗中傷は、絶対に口から出さないようにしましょう。
しかし、同時に「口」からはとてもすばらしいものも出ます。前に2学期の始業式の「美しい日本語」の話を覚えていますか?
「ありがとう」は感謝の気持ちを表し、相手も自分も幸せにします。
「ごめんなさい」と謙虚に反省する気持ちは、世の中をよくしていきます。
「はい」という素直な気持ちは、自分をどんどん強くしていきます。
「おかげさまで」の敬意の気持ちは、互いに支え合う社会を作っていきます。
心ない言葉とちがい、「口」から出る美しい日本語は、今年、新型コロナウイルス感染症によって傷ついた人や世の中をきっと変えていきます。今度のお正月は、黒川虚白先生のように、世の中を変える素晴らしい言葉について考え、是非書き初めにしてみてください。
そして、来年は、その美しく素晴らしい言葉を自分の「口」から周りの人にプレゼントできるようにしてください。
それでは、けがや病気に気をつけて。
そうそう、相手を思って、病気やけがになって欲しくない、ますます元気に暮らしてほしいと願うことを、今年人気になった「鬼滅の刃」の登場人物、水柱の富岡義勇が師匠への手紙にはこう書いています。
「ご自愛専一にて精励くださいますようおねがいもうしあげます。」
よいお年をおむかえください。